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昨今、自治体による補助金制度の要件化などを背景に、保育・教育施設における「福祉サービス第三者評価」の受審が広がっています。一方で、多くの園が「監査のように厳しい指摘ばかりを受けるのではないか」「普段の業務に加えて受審対応の負担が激増するのではないか」といった不安や課題感を抱えているのが現状です。
大阪府大阪市に位置する「みくにひじり幼稚園・保育園」様も、宿舎借り上げ支援事業等の補助金要件変更をきっかけに、幼稚園・保育園の両施設で第三者評価を受審されました。当初は事前準備の大変さや、厳しい評価への不安があったものの、実際に評価を受審したことで「自園の強みの再発見」「マニュアルの改定」「職員間での理念共有」といったポジティブな組織の変化を実感されています。
今回は、みくにひじり幼稚園の安達園長(以下: 安達園長)とみくにひじり保育園の前田施設長 (以下:前田施設長 )に、受審を決意された背景から受審中の評価者とのやり取り、そして受審後に園内に生まれた具体的な変化や今後の展望についてお話を伺いました。

Q:今回、第三者評価を受審されることになったきっかけや、評価機関を選ばれた理由について教えてください。
安達園長: 大阪市の宿舎借り上げ支援事業等の補助金において「第三者評価を受けていないと減額される」という通知が出たことが直接のきっかけです。これを機に、幼稚園と保育園の両方で受審してみようという運びになりました。評価機関の選定については、知人の園長先生からご紹介いただき、事前にお話しさせていただく中で信頼できると感じてお任せすることに決めました。
Q:受審が決まった当時、事前準備や通常業務への影響など、不安に感じられていた点はありましたか?
前田施設長: 「監査のように指摘がメインになるのではないか」「準備にかなりの時間を取られて現場が大変になるのではないか」という懸念が最初はありました。実際、事前に記入する自己評価シートは入力作業のボリュームが多く、自分たちの取り組みをどう自己評価すべきか迷う部分もあり、準備作業は楽ではありませんでした。
安達園長: 周りの園からも「事前準備がとにかく大変だ」と聞いていましたし、実際その通りでした。ただ、自分たちの業務や取り組みを改めて見つめ直す良いきっかけにはなったと感じています。
※(「事前準備の大変さ」に関するご意見を踏まえ、2026年度は自己評価シートの大幅改善を行いました。
入力項目を極力シンプルにし、記入すべき内容がわかりやすいように解説等を充実させています。これからも保育施設様のお声を大切に、評価プロセスの改善を絶えず実施してまいります。)

Q:実際に訪問調査を受けられて、評価者の対応や雰囲気はいかがでしたか?
前田施設長: 最初の打ち合わせの印象がすごく強く残っています。「指摘がメインになるのかな」と思っていたのですが、評価者の方が当園の保育方針をしっかり理解してくださり、「その方針のままで出してもらって大丈夫ですよ」と言っていただけたんです。自園の理念を理解した上で評価していただけるとわかり、すごく安心しました。
当日も最初は職員一同緊張していたのですが、対話を重ねる中で雰囲気を和らげてくださり、とても話しやすかったです。「こんなに書類の隅々まで一生懸命見てくださるんだ」と驚きました。
安達園長: 上から目線で不備を指摘するような部分は全くなく、園の姿勢に「寄り添ってくれる」という部分が一番大きかったですね。保育の現場経験や専門知識を持った評価者の方だったので、今後のより良い園の運営に向けて同じ目線感で話し合いができるパートナーシップを感じられました。
Q:第三者評価を受審されたことで、園内での新たな気づきや具体的な変化はありましたか?
前田施設長: 「保護者アンケートのフィードバックを受けた際、書かれているエピソードやご意見の背景を、職員みんながしっかり把握できている場面があったんです。評価者の方からも『普段から一人ひとりの保護者様と丁寧に対話しているからこそ、ご意見の理由や意図まで深く理解できているんですね。これは本当に素晴らしい強みですよ』と言っていただけて。普段当たり前にしていた日頃の信頼関係づくりが、実は私たちの大きな強みなのだと改めて実感できました。」
また、マニュアルについても大きな気づきがありました。「1年目の新人や中途採用の職員が見ても分かる内容になっていますか?」と問いかけられ、これまでは経験者にしか伝わらないざっくりとした記載があったことに気づかされました。それを受けて今年度、現場で誰が見ても活用しやすい内容へとマニュアルを改定しました。
安達園長: アンケートや提出資料の内容を言語化・可視化していただけたことで、当園の強みや課題が明確になりました。訪問調査後にはリーダー格の職員を集めて園の強みや課題を共有し、年間カリキュラムの見直しを行いました。また、4月1日の新年度スタート時に、全職員で園の理念について改めて深く話し合う機会を設けることにも繋がりました。
Q:最後に今後のご展望と、受審を検討されている他の施設様へアドバイスをお願いいたします。
前田施設長: 現場で自分たちが「当たり前」として行っている取り組みが、第三者の目を通すことで評価に繋がったり、逆に客観的な課題として見えてきたりします。第三者評価は単なる制度上の義務ではなく、自園の強みを再認識し、保育のレベルをさらに上げていける良い機会だと実感しました。
安達園長: 事前準備の面では大変な部分もありますが、終わってみれば園の現在地を客観的に把握できるとても良い機会でした。評価機関選びにおいても、ただ審査・指摘をするだけでなく、園の想いに寄り添って伴走してくれるパートナーを選ぶことが、園の成長にとって何より大切だと思います。